笠松町から屋外広告物の登録に関する文書を送付され、その登録に対し登録料の規定が有りますと記述されていました。屋外広告の登録と共に登録料を納付する様に求められます。これらの事に関し、説明が不十分で有った物と思われる為に、受け取った商工業者の方からの問い合わせを沢山頂きました。
その内容は、およそ次の五点に集約されます。

しかし、これらに回答する前に屋外広告物条例の制定に至った背景を説明する必要が有ると思われます。
2004年６月11日、「景観法」を含む「景観緑三法」が国会を通過しました。これは、景観を国民の資産として位置づける初めての基本法です。「景観緑三法」は、「景観法」、「景観法施行関係整備法」、「都市緑化保全法の一部を改正」の３つをセットした通称です。今まで各自治体が制定してきた「景観条例」に根拠を与える基本法です。
今までの「景観条例」は、屋外広告物の規定などを中心に据えていましたが、自治体が示した「景観計画」の指定地域に於いては、その景観の形成や保全の為に、工作物の建設時などに事前の届け出が必要になり、その計画に適合しないと判断した場合は、計画の変更を勧告出来る様になりました。

さらに「景観法」では、景観形成における住民参加がより明確に制度化されています。「景観法」によって、都道府県や市区町村は「景観計画」を策定し、市区町村が「景観地区」を指定できるようになります。これらの策定過程で、公聴会を開催することは当然のことですが、住民やまちづくりＮＰＯが直接「景観計画」の素案や変更案を提案することが出来る様になりました。これが、景観を国民の資産と位置づけている事と言えます。
また、景観上保全をすべき建物、樹木なども指定出来る様になりました。そしてその保全に為に、許可無く改造や、伐採が出来なくなりました。しかしそれによって所有者が損害を被った場合に対し、金銭的な補償をする事にもなっています。
そして、景観上重要な建造物、樹木などは、所有者に変わってNPO、公益法人、まちづくり公社などが管理出来る様になりました。更に農地までもが、NPO等によって農地として保全管理出来る様、農地法にも特例をもうけました。

考え方としては、屋外広告物条例もこれらの延長線上にあり、都市景観の計画的整備と保全の為に、登録をする物で有ると考えます。